今週の一枚 モーモールルギャバン

今週の一枚 モーモールルギャバン

モーモールルギャバン
『モーモールル・℃・ギャバーノ』



曲を作ってライブやってまた曲を作って、というサイクルをこれ以上続けるのはきつい、
一度ちゃんと立ち止まってより深く濃いものを腰を据えて作りたい、
という理由でライブ活動を無期限休止したモーモールルギャバン。

わかる。

いや、そういうサイクルをもっとハードに続けているバンドもいっぱいいる。
でもなぜかモーモーがそう言うのは「わかる」と思った。
この人達のライブ、そして音源制作は、通常の2倍のエネルギーをアウトプットしているから、
消耗度がちょっと他とは違うと思うからだ。

例えばライブ。

通常は自分の中にあるもの/ステージ上のバンドが生み出したものを客席に向かってアウトプットするのが
ライブというものの基本メカニズムだと思うのだが、
モーモーの場合は、自分の中にあるもの/ステージ上のバンドが生み出したものを自分に向けてアウトプットして、
それを受け止めながら同時に客に向かってアウトプットする―――つまり自分で自分が撃った弾を食らいながら相手を撃ち続ける、みたいな、
脳も体も血みどろ状態なのである。
そして、楽曲制作/音源制作においてもおそらくそういう状態で進めているのではないかと。

それを9年間やってきたのだから、
本人たちの消耗度とダメージはハンパないのではないかと思うのである。
でもその消耗度とダメージの裏返し(表返し?)として、あの異常なまでに突き抜けたライブのカオスや、変態を通り越して愛しいような濃い楽曲が生まれるのだから、、、、、、、、とりあえず休止するしかないよね(笑)。

そんな彼らの、ちょっとした締めくくりと過去の精算を兼ねたミニ・アルバムがこれ。
1曲の新曲は、本当に今の、最新のモーモールルギャバンの実力とセンスと意地を感じさせるモーモー・クオリティー120%の楽曲。
4曲は古い曲を今の力でリメイクして再録したもの。

メンバーもこれで一旦スッキリしてじっくりと「これから」と向き合えるだろうし、
しばらくライブでも会えなくなる僕らもとても前向きな気分で再開の日を待つことができる。
山崎洋一郎の「総編集長日記」の最新記事
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