【10リスト】WANIMA、一生聴き続けられる名曲10はこれだ!

【10リスト】WANIMA、一生聴き続けられる名曲10はこれだ!
WANIMAがどんなバンドかと尋ねられたら、僕は「ひたすらクソ真面目なバンド」と答える。いやいや、エロいし、いつもふざけて笑っているし、愉快で騒々しいお調子者のバンドじゃないか、とあなたは言うだろうか。でも、WANIMAに心底惹かれているあなたなら、「ひたすらクソ真面目なバンド」であることをきっと理解しているはずだ。厄介でコントロールし難いエロさにも、悲しい過去にも辛い現実にも等しく本気で向き合えるWANIMAがいつも笑顔を見せているから、そして簡単には片付かない感情をいくつもの名曲に刻みつけているから、我々は彼らを信頼しているのだ。(小池宏和)

(2019.11.29更新)

①BIG UP


PIZZA OF DEATH RECORDSが初めてマネジメントも担当するバンドとして登場し、ミニアルバム『Can Not Behaved!!』で鮮烈なインパクトをもたらしたWANIMA。今日まで鉄板のダンスチューンとして人気を博している“BIG UP”は、激しく燃え盛るスカパンクの中で性の衝動と欲求を全開放させる、WANIMAのエロな一面を知らしめたナンバーだ。なお「BIG UP」とはレゲエ由来のスラングで、「最高!」とか「すごいよ!」といったふうに相手を賞賛する言葉である。

②1106


祖父の命日をタイトルに、《拝啓/新しい生活に慣れてきたところでしょうか?/心配な事は沢山ありますが そっちに海はありますか?》という手紙のような歌い出しで始まる、決して消えることのない絆と思いやりが込められた名曲。徹底して丹念に紡がれた歌詞とメロディが思いの強さを物語り、KENTA(Vo・B)の高度な作家性を伝えるメロディックパンクだ。歌の情景をなぞるMVは、KENTAとKO-SHIN(G・Cho)の故郷・熊本県天草の海で撮影された。

③TRACE


《あなたがくれた(あの言葉が) いつだって背中を押して/なんとかここまでたどり着けた そばにいる気がした》。かけがえのない支えとなったあの人は、もうそばにはいない。その声を過去のものにしないように、WANIMAは歌に刻み付ける。今も生き続けている声とともに歩む道のりは、“TRACE”=「轍」と名付けられた。四六時中笑顔のままの彼らが胸に秘めた激情は、掛け合いのエモーショナルなコーラスとしてがっちり共有されている。

④Japanese Pride

初のフルアルバムに収録されたナンバーで、日本人の国民性をユーモラスに切り取りつつ、それを武器に世界に打って出ようとする気概が込められた痛快なパンクチューンに仕上げられている。多様な音楽のルーツを並べ、《今は立派な君のパパも 1度は聴いてたんだHi-STANDARD》と直系の先輩バンドまで持ち出しながら、あくまでも自分たちの時代的・地域的な立ち位置を見失うことなく活動するWANIMAのマニフェストだ。

⑤THANX


このストレートに胸に響く《ありがとう》を捕まえるために、KENTAはどれだけ思考の深淵を覗き込んできたのだろうか。WANIMAの歌はキャッチーであればあるほどに、そんなことを考えさせてくれる。すでに会えなくなってしまった人に思いを馳せながら、寂しさや悲しみを歌うのではなく、出会いの運命と新たな旅立ちをセレブレイトする歌になっている。1stアルバム『Are You Coming?』リリース前に先行してMVが公開された。

⑥ともに


「8×4ボディフレッシュ」のCM曲に起用されたことはもとより、人気バンドとしてメキメキと頭角を現してきたWANIMAが、多くのリスナーとまっすぐに向き合って支え合う関係性を明確に楽曲に込めたナンバー。触れる者を鼓舞する歌詞も素晴らしいが、何と言っても歌い出しの「嗚ー呼!」のソウルフルで力強い響きである。人それぞれの困難な日々もすべて抱え込み、時代を引っ掻き回して共に進んでゆこうとする懐の深い心意気が、この「嗚ー呼!」には込められている。

⑦オドルヨル

WANIMAの、エロという意味でも貪欲という意味でも完璧に猥雑なミクスチャー感覚が咲き乱れたパーティチューンである。キレッキレなパンクサウンドで、思い切りバウンシーなサンバグルーヴや猛スピードのスカビートを自由自在に切り替え駆け抜けてゆく。決して聖人には成り得ない、リビドーを丸出しにしたこの生命力の迸りは、清濁入り乱れた人間の姿をありのままに映し出すWANIMAの信頼感をより確かなものにしていると思う。

⑧CHARM


さいたまスーパーアリーナでのワンマン含む「JUICE UP!! TOUR FINAL SERIES」で披露され、メジャーとのタッグを組んで初めてリリースされたEPの収録曲。“CHARM”はお守りという意味で、歌を必要としている人に歌が届くように、またいつか共に歌えるように、そんな願いが込められている。一聴するとパンキッシュで賑々しい曲調ではあるが、温かみのあるカントリーのテイストを宿しており、アコースティックな作曲の味わい深さが伺える。

⑨シグナル


そもそもは、2017年末に放送されたNHK総合の特番『WANIMA 18 祭(フェス) -1000 人のシグナル-』のために制作されたナンバーで、さまざまな悩みや将来への不安を抱えた18歳世代の1000人が、練習期間を経てWANIMAとの一発勝負コラボレーションを果たす、という企画だった。《好きにやって 駄目なら戻って来い》という歌詞の一節は、KENTAがあの“1106”で歌った祖父にかつて貰った言葉だという。世代を越えて受け渡される、大切なメッセージだ。

⑩りんどう

2019年のアルバム『COMINATCHA!!』から先行配信&MVが公開された“りんどう”は、そもそも2018年の「Everybody!! Tour」途中からライブ披露され、長らく音源化が待たれていた楽曲だ。故郷・熊本の県花でもあるりんどうについて、KENTAは「群生することなく、一輪ずつ野に咲く」花であることを語り、《弱いままで強くなれ》というメッセージをこの歌に込めた。孤独でも気高く生きる者のための名曲だ。ドラマティックに膨らむストリングスやピアノのアレンジも美しい。
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