ベックの弾き語りライブを観て思ったこと

ベックの弾き語りライブを観て思ったこと
サマソニ以来6年ぶりのベックで、ずいぶんお久しぶりだ。
僕たち日本人にとってベックはデビュー当時からなんだか特別な親近感を覚えるアーティストで、たぶんベック本人も日本に特別な親しみを感じてくれているのではないだろうか。なんか性格や佇まいもシャイで穏やかで日本人ぽいし。最近のインディーアーティストはそういうタイプの人がむしろ普通になったけど、ベックがそれのはしりなんじゃないかな。リアムやカートやトム・ヨークとは明らかに違って、ベックはすぐにベックちゃんと呼びたくなる近さがあった。
それは余談だけど。
今回のアコースティックセットは、初期のオルタナ・ブルースフォークからアルバム『シー・チェンジズ』『モーニング・フェイズ』で確立したシネマティックでエレガントなフォークまで、期待通りのセットリストを期待を超える質の高いパフォーマンスで聴かせる素晴らしいものだった。
東京の一夜限りでチケットは高めで時間も短めだったが、これまでいろんなツアーやフェスでベックを観てきた人が、弾き語りというミニマルな形でもう一度ベックの楽曲の本質に触れられる場としてはあまりにも貴重だったし、その体験は至福に近かった。
ベック自身もライブをやるのは4、5ヶ月ぶりだと言ってて、通常のツアーのような手慣れた感じが全然なくて、一緒にツアーリハをやってるようなホームメイドな楽しさがあった。もちろん言うまでもなく、プレイ自体はギターもピアノも歌もブルースハープも極上のクオリティーに貫かれていた。
ニール・ヤングの「Old Man」も映画『エターナル・サンシャイン』の「Everybody's Gotta Learn Something」もやってくれた。でもまだまだ、永遠に聴いていたい気分だった。(山崎洋一郎)
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