制作面でも大人の冒険を

flumpool『A Spring Breath』
発売中
ALBUM
flumpool A Spring Breath
昨年末にビルボードで行われた初のアコースティックライブの流れを汲むコンセプトアルバム。既発曲のリアレンジと新曲をほぼ交互に据えた曲順となっているが、既発曲のアレンジはどれも軽やかかつ奥行きのあるものになっていながらも、新曲のような非常に新鮮な手触りだ。編曲はメインコンポーザー・阪井一生(G)とビルボードライブにも参加していたWEAVERの杉本雄治(Pf・Vo)。ストリングスとピアノを前面に出し、リズムのアプローチを変えた“君に届け”、イントロから息遣いが聴こえるコーラスを入れ、原曲のバラードの方向性とは大きく違う大人っぽいバラードとなった“証”。新曲は、出会いと別れの季節である春の情景が鮮明に浮かぶ表題曲“A Spring Breath”をはじめ、軽やかに強い希望を鳴らしたものがずらり。

昨年事務所を独立し、新たな道を歩んだflumpoolだが、作品面でも新たなフェーズに踏み込み、そもそもの武器であるグッドメロディと優しく大きな歌を活かす形で、自らの表現の幅を格段に広げた。この先まだまだ楽しませてくれそうな予感が満ちている。(小松香里)

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