【速報】The ピーズ、結成30周年にして初の武道館。はるは「みんな、生きのびてくれてありがとー!!」と笑った

【速報】The ピーズ、結成30周年にして初の武道館。はるは「みんな、生きのびてくれてありがとー!!」と笑った
レトロなネオンサイン風デザインのバンドロゴを背負っただけのステージ。見るからに調子と機嫌の良さそうな3人が、アビさんお手製のアンプ(と特注スピーカー)から殺風景でロマンチックなロックンロールをぶっ放し、約3時間を駆け抜けてゆく。

人が生きる理由に迷うのと同じくらい、バンドも続く理由に迷うものだと思うし、やめざるを得ない事情だって星の数ほど存在するはずだ。ピーズの30年にしたって、我々が知っている限り紆余曲折ありまくりである。

でも、「死んじまえ」と「何も死ぬこたーない」の間で、また「死にたい」と「なんで自分が死ななきゃならねーんだ」の間で、夕暮れのブランコのように揺れ続けてきたピーズのロックンロールは、だからこそ終わることを選べなかったのだと思う。

自堕落で、欲望にまみれ、嫉妬深く情緒不安定な、ただ正直であるという一点のみにおいて鈍く煌めくロックンロールが、武道館をソールドアウトさせた。「次はみんなの葬式だな。嬉しいなあ、こんだけいると、なかなか死ねないね」というはるの言葉は、まるで彼の歌うロックソングそのものだ。

歌心と深いバンドグルーヴががっちりと手を取り合うニューシングル曲群も、後半の名曲連打でギアがさらに一段跳ね上がる感じも、これぞピーズの武道館という最高の手応え。

アビさんはずっと嬉しそうに弾きまくっていて、武道館の使用抽選の言い出しっぺであるというシンちゃんは「こんな大変なことになるとは」とファンの熱狂ぶりに戸惑っていた。(小池宏和)
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